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不安定な視界、過敏な耳、震える心 第三章

 高校生の頃、とても嫌な偶然があった。
ホラーオカルト好きな姉妹だった私たち、丁度色んな話題を振りまいた「ポルターガイスト」を夜見ていた。ビデオだったので、部屋を暗くし、もうバリバリ集中してみていたんだけどそこに例の市内消防放送が響き渡った。耳を澄まして聞くと、火事が発生しているのはなんと海を挟んだ向かいの飲み屋の雑居ビルだった。向かいといっても何キロ離れている訳じゃなく、直線で一キロあるかないかの距離だ。
「ちょっと、向かいだよー、見てみよー。」と、姉妹四人2階の窓に鈴なりになって見てみると、物凄い勢いで雑居ビルが燃え上がっていた。消防署も目と鼻の先にある所で、消防車は何台も止まっており盛んに放水し消防活動をしているが、夜目にも赤々と炎は燃え上がりその勢いはいつ減退するのかと、見ている方は背筋が寒くなるほどだった。
鎮火にかなり手間取ったけど、ひどい怪我を負うような人も居ず建物は全焼だった。
今でも、あの炎の色は鮮明に焼きついている。
 そんなことにはめげずに、その後続いて見続けた「ポルターガイスト」はかなりの恐怖を私達に提供してくれたのだった。
 「ポルターガイスト」が結構気に入ったので、しばらくして「ポルターガイスト2」を借りてきた。
また夜、四姉妹で部屋を暗くし、観る気十分で画面に集中していた。
が、しかし、その集中も家の前から聞こえてきた怒号?叫びで中断された。
「なんだ?何したんだ?」と、また四人姉妹2階の窓に鈴なりに取り付き外を見ると、家の前の岸壁に人が集まり、海を見下ろしていた。その日はそんな騒ぎなのに窓を開けるのをためらうほど凍てついた夜だった。しばらく見ていると海から誰かが助け上げられた。
「うわ、おっこったんだ、こんな寒い時に。大丈夫かなあ?」
「げー、やだね。」
と、言ってると救急車が到着し、担架を運んで行った。
「しかし、ポルターガイスト見てるとやなことばっかり起きるね。」
「まあ、自分たちになんか起こる訳じゃないからいいけど、やだね。」
と言いながら、「ポルターガイスト2」の続きを観たのだった。
次の日、
「昨日の人、どうなったの?なにしたの?」
と、母親に聞いたら
「酔っ払って、たちションして海におっこったお兄さんを助けようとして、飛び込んだ弟さんが死んじゃったんだって。」
と、なんとも浮かばれない結末だった。
「ポルターガイスト」を観ると縁起でもない事ばかり起こるのだろうか?
なんて考えたけど、事柄的には全然連結しないものだから深く考えてなかった。
しばらくして、さて、また「ポルターガイスト3」でも観ようかー。
と、ほんとに気軽に四人姉妹、夜に観始めました。
「今回は最後まで、ノンストップで行けるかな?」
なんて冗談は言ってたけど。
半分以上見終わった頃かな?もう夜の12時過ぎた頃だった、例の市内消防放送が・・・。
ビデオを一時停止して皆が一瞬耳を澄ます。
「なあんだ、学区内だけどうちから見えるような場所じゃないし、まあ関係ないか。」
と、無関係だよねーと続きを観始めた。
2,30分後位に鎮火の放送が入って、後は全然気にもしなかった。
でも、実はうちの父親が出かけていた。まあ、商売上近火見舞いにでも行ったのだろうと思っていたのだけど。
翌朝、朝食を摂っていたら父親から
「おい、お前の友達にみずきっているだろ?」
と、中学校の時の同級生の名前を言われ
「ん、同じクラスにもなったことあるし友達っちゃあ友達。」
「昨夜の火事で、親父死んだんだ。俺と同級生で友達だった。」
「えええええ?ほんとに?みずきのお父さん死んだの?みずきは大丈夫なの?」
「火事と言っても、酔っ払って帰ってきて玄関で寝込んだ時に吸っていた煙草で小火を出した程度だったんだが、吸っていた当人はもう駄目だった。」

なんだかしれないけど、これ以降「ポルターガイスト」シリーズは、うちの家族誰一人として一回も観ていません。
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by tyrano | 2007-03-08 23:27 | 色々