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不安定な視界、過敏な耳、震える心 第二章

 中学生になった私はその年特有の不安定な精神時期、思春期を過ごしていた。
この時期、友達と遊ぶよりも図書館にある怪奇・幻想・魔術・心霊もののを本を探しとにかく読み漁っていた。
死というものが何なのかがわからずに不安で不安でしょうがなかった。
死んだらどうなる?妹はどうなっているの?おばあちゃんは?
とにかく、あっちの世界が知りたくて知りたくてしょうがなかった。
だが、しかし、知りたいけど、恐怖は全然薄れていなかった。
いろんな人がいろんな宗教観で解説する未知の世界を、まだその頃の私は頭に入れても消化しきれず、わからないことだらけの不安が増すばかりだった。
現実世界にはあまり興味が持てず、自分が体験出来ない、そんな世界ばかり考えていた。
死んでからの事、これから来るかも知れない世界の破滅や、わけのわからない恐怖と不安で一杯だった。
同じ年頃の友達は、アイドルやドラマの話で盛り上がっているって言うのに。
明るく楽しげな世界には興味が持てなかった。
でも、ここまでずっぽりオカルトに興味を持っていたのにも関わらず、幸いなことには実際の心霊現象らしい現象に遭遇して怖い思いはしていないのである、ここまでは。

中学生の時に一大事件があった。
家が火事で全焼したのである。
幸いにも昼間の火事で軽い火傷を負った人が居ただけだった。
私は丁度部活の最中だったが、市内の消防放送で自分の家の住所付近が火災と聞き、隣にある県内一広い小学校の校庭を斜めに走って自分の家が見える小高い丘まで行った。行ってみたら自分の家がもうもうとした煙に包まれていた。近くに居た近所の先輩と猛ダッシュで傾斜10度の坂道を駆け下り家の近所まで行った。すぐ近所の叔母が居てとにかく消えるまで皆うちに居るからおいでなさいと言われたが、警察官が来てまだ家が煙を上げてるにも拘らず事情聴取?をするためにパトカーに乗せられまたちょっと遠くの知人の家行き、その家の部屋を借りて話を聞かれた。
不思議なことにその時の記憶では、自分の親や近所の叔父叔母もそばに居ず、その知人の家のおばさんが居ただけだった。未成年の私だけがなぜそんな事になっていたのか今となってはよくわからない。私が動転していて実は周囲に誰かついていたのかもしれないけど。
家は焼けてしまったので、しばらくは昔お店の人の寮として使っていた家があったので学区外だけどそこから通った。すぐ夏休みになったのでそう不便は感じなかった。
家が全焼したので新築した。
前と同じように一階が店舗で二階が住居部分だけど、お店の人も一緒に使う食堂が二階に出来たので少々間取りは狭くなった。でも、住居空間の暗がりは減って流石に怖くて寝れないとか、どうしようもないという感じはなくなった。
家は立地的にも一番湾の突き当たりにあり海に面していた。そして家の廊下がその海に面する南前面から北方向に、あまりにもまっすぐ通路が通っていたがために、なんとなく何かが通り抜けていて落ち着かなかったのかなあ?
そういえば、海に落ちたドザエモンはなぜか丁度私の家の前の岸に辿り着く。何度となく、落ちる場所は違っても着岸するのは家の前だった。だけど、この後あたりから護岸工事で湾内の海流が変わったせいで少しずれた所に着岸するようになった。
子供にはドザエモンは見せてくれなかったけど、何度もあがったという騒ぎは聞こえていて、こっそり家の2階から覗いた時、かけられた布からはみでた足が見えたことがあった。
やっぱり人の色ではないなあ、あの色は。
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by tyrano | 2007-03-07 21:47 | 色々