好きなのは尹子維!

tyrano.exblog.jp
ブログトップ

不安定な視界、過敏な耳、震える心

 小さい頃、そう、3,4歳の頃には既に暗がりが怖かった。
小さい時に住んでいた家は奥行きがある二階屋で商売をしたいたので、一階が店舗スペースとなっていた。
2階には、東側に八畳間が三間縦に続き、次に屋根に上がる階段とその脇にお手伝いさんの部屋四畳半あって、その脇を家の南側(表)から北側(裏)まで貫く長い廊下があった。ありその廊下を挟んで、西側には南に六畳間二間と階段を挟んで北側には十畳ほどの倉庫とトイレがあった。
トイレは北西の一番奥にあり、そこに一階に降りられるよう階段があった。
そう、このトイレが怖い。八畳間の真ん中の部屋か一番北側の部屋、六畳間と寝るところは変わったけれど、夜中に皆寝静まっている時に長い廊下に出て、奥の階段の暗がりへ向かって歩いていかなければいけない。古い家なので、廊下には灯りなんか付いていない。
行く途中に通る、屋根にあがる階段とお手伝いさんの部屋のところは素通しのガラスがはまった木の引き戸があって、その奥に部屋の障子がある。そのガラスに目を向けることは怖くて出来なかった。何かこの世のものではないものが映っていたらどうしようと、そう想像してしまうから。
怖々歩いていると、廊下の後ろの方が「パキ、ミシ」と音を立てる。いきなり「ブイーン」と冷蔵庫のモーター音が響いてくる。目の前は一階に下りる階段が、暗い穴のように私を待っている。
とにかくトイレに行くのが怖かった。
毎晩のように、夜、目を覚ますことは恐怖以外の何者でもなかった。
暗がりを見まいとするけれど、目の隅には何かが見えているようなそんな感じが消えなかったから。
でも、なんでこんなに暗がりが夜が怖くなったか、自分ではわからないのである。
家鳴りなんて言葉も知らず、ひたすら廊下がきしむ音におびえ、天井の木目を見ないように目をつぶり、隣では妹たちがスースー気持ち良さそうに寝ているのを羨ましく感じていた。

c0031784_1719750.gif

私は四人姉妹の長女です。
小学校一年生のとき、目の前で四番目の妹が熱湯のお風呂に落ちて亡くなりました。
とてもとても可愛くて、2歳になる直前の本当に何の汚れもない子でした。
親の落胆振りは、私たちには悟らせないようにしてはいましたが、油が沁みこむように伝わってきました。
子供の前では決して誰も責めたりしませんでした。
でも、長女の私がもう少し目を配ってあげてたら、こんな事故は防げたのではなかったんだろうか?
今でもそんな事を考えたりします。でも、せんないことで、その後親がそれはそれは手厚く供養をしている姿を見ていたのでそのせいもあってか、多分表立って傷になるようなことはなかったです。
でも、発情期になると屋根の上で猫たちが赤ちゃんが泣いているような声で鳴きます。
心の中では、「妹が泣いてるようでやだよー、かわいそうだよー」と思っても、これは猫の声だからと必死に言い聞かせて耳を塞いで布団に潜り込んでいました。これを親に言っても親も苦しむだけなんだろうなあと子供心に思っていたので。
妹が落ちた風呂場はちょうど二階のトイレの真下にあたります。
そのせいか、小学校に入っているにもかかわらず、どんどん夜中のトイレが怖くて怖くてたまらなくなっていきます。ある一時期は本当に一人で行けなくて、次女を無理やり起こして付いてきてもらったり、迷惑にも自分が付けられるすべての電気を付けて行ったりしていました。
ここまで怖がってるのは異常だったんだろうか?
今でさえわからない状態ですね。
[PR]
by tyrano | 2007-03-05 17:14 | 色々